NHKの朝ドラ(エール)の一場面をふと見ていたら、この言葉が耳に残りました。
文学博士の鈴木秀子氏の言葉に『反省とは後悔することではなく、ひとつの体験を通して知恵を得ることです』というのがあります。
新型コロナウイルスによって世界中が恐怖に陥ったパンデミックに対する各国のリーダーや自治体の首長の発言や対応を観ていて、その質の差(民度の違い)を否応なく感じたことは確かです。政治のことは門外漢ですが、国民の一人として強く感じていることを述べますと、「人(特に国のリーダー)の資質は危機や困難に直面したときに問われる」ということです。美辞麗句や修飾語をいくら並べても、平時から国民との信頼関係がなければ上滑りしているだけで国民の心には届かず響くことはない、ということです。
現在を含めた過去の政策の失敗と言えることは、教育・環境・医療に効率主義を導入したことです。仔細は申しませんが、国力の基盤、要となる分野に効率や利益を求め過ぎるべきではないと思います。例えば、大学や病院経営の目的の一つとして利益、利潤を求めないことです。経営責任は(国立、公立として)最終的に国が負い、NPOスタイルのような利益の循環方式をとることが、国力を醸成、維持するうえで重要と考えます。今回の騒動で国防・防疫に対するマネジメントの脆弱性が明らかになりました。
(日本のための)防衛も大事でしょうが、その前に国として優先すべきは、先ず人(子どもたちと若者)に投資する。それが世界に冠たる日本の位置づけと役割が果たせることになり、日本人の未来を創る(民度を貴める)ことに繋がります。国力の源になるものを国費で賄うのは当然と考えます。効率化と合理性を混同せず、しっかりと方向性を決めることではないでしょうか。