自然の隠れた半分(地下と地上)を観る

土壌生物にはハサミムシ、甲虫類、ミミズ、ダニ、トビムシなどがいます。これらの生物によって有用な栄養が有機物から引きはがされるプロセスが始まり、微生物を仲介して最後に炭素、窒素、水素など単純な化合物が残ります。微生物は有機物を分解しているだけではなく、植物が必要とし、吸収できるような栄養分(栄養、岩、微量要素、有機酸)の供給と分配という役割も果たしています。つまり、植物は有機物を直接吸収していなくても、有機物を養分として分解する土壌生物の代謝物を吸収しているのです。

土壌微生物は植物の根のまわりに多く集まっています(根圏)。根圏はクモの糸ほどの植物の根毛1本1本を、まるで生きている後光のように取り巻いています。根毛は1本の根から数百万本生え、それにより表面積が増えて、植物と土壌微生物の相互作用が大幅に活性化され、根圏に集まる微生物の数は最大で周囲の土壌の約100倍になるようです。

植物は土の中に栄養豊富な浸出液(炭水化物、アミノ酸、ビタミン、フィトケミカルなどあらゆる栄養)を微生物の餌として放出して有益微生物を根圏に集めます。勧誘された微生物は地下で仕事に就き、盟友である植物を守る衛兵の役目を務め、根圏に植物にとって有益あるいは無害な生物がたくさん棲んでいれば、その場合、病原体(菌)には、堀のような根圏を渡って植物の城壁を突破できる可能性はほとんどなくなります。

 

地下及び地上世界における自然界・生物の循環(生→死→分解→生)はそれほど単純なシステムではありません。植物と微生物の相互関係、共生は人間の常識や理解を超えた複雑で不可思議な世界です。自然の叡智としてのギブ&ギブの世界が広がっているように映ります。

☆フィトケミカルとは、植物が作り出す物質で、微生物との情報伝達を含め、防御と健康にかかわる幅広い機能を持つ。